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「風と共に去りぬ」の翌年1940年のヴィヴィアン・リー出演作。 いかにもハリウッド的なメロドラマ。 悲劇のヒロインを演じるヴィヴィアン・リーが、例えお人形さん的に美人を演じるだけだとしても、それなりに通用してしまいそうな仕立てではあるのだが、ヴィヴィアンはヒロインの浮き沈みを実に細かくさりげない表情で演じている。 瞳に吸い込まれそうな迫力があって、それがまた綺麗に撮れている。 彼女をスターダムにのしあげたのはカラー作品の「風と共に去りぬ」だが、むしろ白黒作品の方が、ヴィヴィアンの美しさをひきたてるかもしれない。 PR |
ヴィヴィアン・リーとレックス・ハリソンが共演しているのだが、なかなか観る機会がなかったのがうなずける他愛のない作品。 同時期に撮られた「セント・マーティンの小径」は、共演するチャールズ・ロートンが良い味を出していたりして、まだ観るべきところがあったのだが…。 まぁ、タイトル通り、ストーリーがストーリーなのでしょうがない。 他愛のないことに関しては、当時お蔵入りしてしまったという「21日間」もそうなのだが、ローレンス・オリビエの演技が良い味を出しているなどそちらもまだ見所があるように思う。 「茶碗の中の嵐」「セント・マーティンの小径」ではレックス・ハリソンが出演しているのだが、この人が後年、「マイ・フェア・レディ」のヒギンズ教授を演じるとはちょっと思えない優男ぶりで、特別良い演技をしているとも思えない…。 ヴィヴィアン・リーも、ちょっと勝気なお嬢さんをキンキンと演じているだけで、とりたててどうということはない。 あまりにお手軽なハッピー・エンドもいただけないが、テレビのない時代の作品だ。 量産されるテレビドラマと同じ、と思えばこんなものなのかもしれない。 |
映画の存在は、公開時からとはいわないがわりと前から知っていた。 ジェラール・ドパルデューをシラノに配す、なんて随分ベタ(笑)な配役だと思っていた。 最近になって初めてCSで視聴した。 ドパルデューがつけ鼻までつけて頑張っていた! なんてことはどうでもよいのだが、この映画はお薦め。 ハリウッド的エンターテイメント作品を期待して観るとがっかりするタイプの作品かもしれない。 戯曲を戯曲らしく映画化しているからだ。 アメリカでは設定を現代に置き換えて作った映画「愛しのロクサーヌ」(1987年)の方が、この正統派で作った映画よりも興行成績が良いようだから…。 シラノ演じるジェラール・ドパルデューがアカデミー主演男優賞のノミネートされているのだから、映画として認知されていなかったということはないだろうに…。 つまり、現代的お気楽娯楽映画、ではないのだ。 だが、むしろ、それがこの映画の良さだと思う。 素材である戯曲「シラノ・ド・ベルジュラック」の魅力を損なわせず、それに映画ならではの映像美と音楽を加えた。 ジェラール・ドパルデューの熱演あってこそなのだが(ほとんど台詞しゃべりっぱなし)、原作の戯曲の出来の良さを感じる。 戯曲というと、堅苦しいイメージがないでもないが、この作品は笑いあり涙あり、充分エンタテイメントしている。 ハリウッド的な娯楽映画ではないというだけだ。 主人公のシラノは17世紀に実在した人物をモデルにしている。 シラノ自身も著作を残しているのだが、彼をモデルにした戯曲の方が有名になってしまった。 劇中の登場人物、ロクサーヌ、ド・ギッシュ伯爵、クリスチャンにもそれらしき人物が実在するようだが、戯曲の話とは大きく異なっていて、とてもモデルとは言えないようだ。 |
CS放映で映画「秘密」を観た。 広末主演作品としてのみ、レッテルを貼られてしまうのだとしたら、それはもったいないと思う。 私が予想した以上に広末涼子は好演していたと思うが(二十歳前後の者が演じるのだったら誰がやってもかなり難しい役だ)、むしろ、母親役に岸本加世子を配したのが上手い。 ただ映画としては、直子が永遠に別れを告げる最後のデートのシーンで終わったほうが、美しくまとまったのではないかと思う。 実際、あそこで映画が終わるのかと思ってしまったし。 それでは物語(原作)の半分しか伝えていないという意見もあるだろうが、 過去に物語(原作)の半分しか映像化していない映画作品はある。 「嵐が丘」「Neverending Story」... また、原作と映画とラストを微妙に変えてあるようだが、文章的な表現と映像的な表現では異なるのは当然。 絵としては良かったのだが、それが物語として本当に良いのかはまた別の話。 |
公開時、派手な宣伝に誘われて興味はもったが、映画館に足を運ぶほど食指が動かず、 映画館に足を運ぶほど食指が動かないのならばやはりDVDで買おうとも思わないし、 というわけで、テレビで放映されるのを待った。 映画館に足を運ばなくて正解って感じ。 手塚治虫原作でありながら手塚アニメにはなっていないという…、そこをどうとらえるかは人それぞれだろうが、素直に原作漫画を読んだ方が楽しいのではないかと思う。
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1979年フランス・イギリス合作。日本公開1980年。カラー、171分。 原作は Thomas Hardy が1891年に発表した「Tess of the D'Urbervilles (ダーバビル家のテス) A Pure Woman」。 公開当時、大作(?)ということで随分と話題になったような記憶があります。 実際に観たのは、数年後、テレビで放映された時。 イギリスの田舎といっていいのか田園風景がとても美しく撮れていて素敵。 もちろん、主役の薄幸のテス演じるナスターシャ・キンスキーも綺麗。 最後、テスは古代遺跡のストーン・ヘンジに辿り着くのですが、その光景が強く印象に残りました。 ストーリーは、はっきり言って救われないものです。 翻訳された原作も読みましたが、そのストーリーはほとんど忘れてしまっていました。 cinefil imagicaで放映されていたので、再度観ました。 ストーリーについては19世紀的な悲劇なので、現代的な視点で見るといろいろ言う人はいるでしょう。 でも、19世紀的な雰囲気をふんだんにかもし出す絵作りと合わせて、当時を想像してみるのがいいのではないでしょうか。 …とはいえ、この原作は、発表当時はその時の道徳観に縛られて、批判を浴びたり、文章を一部削除されたりしたそうです。 ビクトリア朝時代ですからねぇ…。 そんな時代でなければ、テスも悪戯な運命にこんなに翻弄されることはなかったわけです。 美しくて、聡明で、正義感が強くて、でも気が強いというわけでなくもろい面も持っていて、そんなテスに ナスターシャ・キンスキーははまり役でした。 そんなテスをとりまく二人の男が出てきます。 単純に考えれば、一方が悪いヤツで一方が良いヤツなんですが、 必ずしもそう割り切れないところが複雑です。 悪いヤツが徹底的に悪ければ憎みようもあるのですが、 すぐにポイとテスを捨てて音沙汰なし、というわけではなく、 条件付ではありますが、主を失い路頭に迷ったテスの家族の面倒をみるのです。 一方、テスを見捨てていった良いヤツのふりをした夫になった男。 進歩的、先進的な考えの持ち主と見せかけて、実は凝り固まった古い道徳観にしばられています。 結局そんなもの、というところがまた悲劇で、 いっそのこと離婚してテスを見捨てていった方が親切だったのではないかと思うのですが、 世間体を気にしてか、そうはしません。 結局、改心して戻ってくるのですが、その後、一途なのには少々びっくり。 いくら思い直しても、戻ってきたら事情はあるにせよ妻が他の男といたら、 そして、妻が犯罪を犯してきたら、気持ちはかなり冷めると思うのですが…。 (原作ではその辺り、もう少し書き込んであるのでしょうか。また読んでみないと。) 最後は逃避行の末、ストーン・ヘンジに辿り着くのですが、キリスト教徒にとっては遺跡というよりは 異教徒の場所、という意味合いになるようです。 その辺の宗教的感覚がよくわからず、映画の絵としての印象のみを強烈に感じますが、 19世紀のキリスト教感を考えると別の意味合いも含んでくるようです。 |
1993年の映画。日本公開は1994年3月だったらしい。ディズニー映画。 一言で言うと痛快活劇。単純な勧善懲悪になっていて、悪役は見るからに悪役(笑)。 悪く言えば深みもへったくれもないのかもしれませんが、 長編を2時間弱の映画に楽しく面白くうまくまとめた手腕のほうを褒めたい。 映画館の大スクリーンで見たい!という絵作りはしていませんが、ロケ撮影や衣装などは鑑賞していて充分満足できるレベルです。 今ではスピン・シティのマイケルの後釜のイメージが強いチャーリー・シーンが三銃士のうちの一人を演る、と聞いて最初はおっかなびっくりだったのですが、どうしてなかなか役にはまっているではないですか。 でも、この映画でかっこいいのはなんといってもアトス。 アラミスとポルトスがどちらかと言えばお笑い担当になっているだけに、 過去の翳を背負うアトスが余計にかっこよく見えます。 アトス演じるキーファー・サザーランドはどこかで見たような顔、と思って調べてみたのですが、 彼の出演作は「Stand by Me」を観ているくらい。 面影は同じかもしれなけど「Stand by Me」じゃぁね…。 お父さんのドナルド・サザーランドの出演作映画は何本か見ているけれど、 アトス演じるキーファーとははっきり言って似てない…。 どこかで見たような顔ってようするに、よくあるタイプの顔、とそれだけのことかもしれません。 (後で気づいたのですが、Star Wars 2のオビ・ワン(ユアン・マクレガー)と雰囲気似てませんか? どっちも剣をふりまわすのでそう見えるだけかもしれませんが) ディズニー映画なので、素直に吹き替えで見ました。 特に違和感なし。クレジットを見たら、なかなかの人材を揃えているではないですか。
この三銃士のお話の何十年か後の話が、映画「仮面の男」になるのですが、どちらも映画化にあたって原作に無い演出をしていますから、微妙に話が食い違ってきます。 ダルタニャンはいつの間にか心変わりですか?(苦笑) リーダー格はアトスからアラミスに交代ですか? ポルトスは…やっぱりポルトスだ!(笑) とか思いながら、続けてみるのも面白いかもしれませんね。 |
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