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本を買った時は裏表紙のあらすじを見たはずなのだが、積読の間にすっかり忘れてしまった。 なので、ほぼ予備知識0の状態で読み始めた。

最初は、赤ん坊の取り違えの話かと思った。 その次は、生き別れの双子? ではなぜ戸籍がそうなっている? 読む進めていくうちに、そんな単純な物語にありがちな話ではないことに気が付いた。

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すごい荒っぽい言い方をすればマリッジ・ブルーの話と言えなくもない。 普通にマリッジ・ブルーを描いても小説として成り立ちそうだが、これはそんな単純な話ではない。

登場人物はちょっと遅めの結婚が決まった早映。 卓之との婚約が決まって早映の周囲に現われた人物がいる。 彼の叔母(といっても若い)優子。 優子の夫は卓之の同級生。 さらに麻紗子というダンサー。 実は、早映と麻紗子は再会だった。 麻紗子は平凡なOL早映とは、まったく別の価値観を持ち別の生き方をしている。 一言で言えば自由奔放。

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7年目のDINKS士郎と結子が別居するところから物語は始まる。 結子はアラフォー世代。 微妙な世代といえばそう。

別居のきっかけは、借りていたマンションの上階が火事で水浸しになったという事故によるものだ。 彼らには同居の選択肢もとれなくはなかったが、ほんの一時期のことと思い別居する。 別れて暮らしてみたら思いのほか快適で、他の要因も重なり別居生活が長引く。 別居生活中に彼らはそれぞれ不倫するが、それで夫婦仲が変わるわけでもない。 この二人の話を軸に、志木子という若いシングルマザーの女性の話がからむ。 (※ 士郎の不倫相手としてではない。)

最後に思わぬところで人間の輪がつながるのが面白い。 輪がつながった後のストーリーの処理はもうひとひねりあっても良さそうな気もする。 士郎と結子は、ラストで何事もなかったようにまた二人の生活に戻っていくのだから、それくらいでいいのかもしれない。

ストーリーはドラマティックなものではない。 主人公である士郎と結子が淡々としているせいかもしれない。 でもその淡々としているところが、ある意味リアル。 日常生活なんてそんなもの。 ちょっとしたことから方向がそれたりするが、また元に戻っていく。 元に戻る、といっても何かがあった分、何かが変わっているのだが。

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第126回直木賞受賞作。

これまで何作か唯川恵さんの小説を読んだ。 等身大の女性が登場人物で、読者が共感したり感情移入しやすいパタンの作品が多かった。 こう言ってしまうとなんだが、少女マンガやコバルト文庫を読んで育った世代が、大人になって読みやすいものってイメージ。 ところがこれはちょっと違った。

登場するのは、ちょっと変わった人物ばかり。 女には好かれないが男にはモテまくりでそれを最大限利用して生きていくタイプのるり子。 そんなるり子の唯一の女友達が萌。 るり子とはまったく違うタイプで一見ごく普通っぽいが、るり子につきあっていけるだけあってやはり一癖も二癖もあるといっていいと思う。 こんな女性二人が主たる登場人物なので、共感するとか感情移入するというより、客観的に面白い。 この二人に、崇という15歳の家出少年が加わる。 彼の家出の動機はちょっぴり複雑、でもありがちな家庭環境のせい。 ひょんなことから三人の奇妙な共同生活が始まる。

この人物達に、ごく普通のサラリーマン柿崎と、彼の同級生でゲイの文ちゃん、そして同じくゲイのリョウという人物が物語に幅を添える。 これだけいろいろなタイプの人物が登場するわりには、ストーリーとしてまとまっていてすんなり読める。 るり子はイヤなタイプの女だけれど、彼女ほど自分のやり方に明快に生きられれば(無理だけど)人生は楽しいかもしれない。

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同期入社の乃里子と薫は、同じ人を好きになった。 エリート社員で将来有望な彼と結婚することになったのは薫。 薫は寿退社して専業主婦の道へ、乃里子はキャリア・ウーマンの道へ進む。 二人の道を分けたのは必然の結果ではなく、ほんのちょっとしたこと。 そんな彼女達の27歳から60歳までの物語。

乃里子がキャリア街道まっしぐらかというとそうではなくて、浮き沈みのある人生を送る。 どちらが正解、ということを決め付けたくないためかと思うが、薫も夫の郁夫の浮気に悩んだり自身が不倫したりでこぼこ街道。 薫の方はともかく、乃里子の浮き沈みにはバブルだったり不況だったりという世の中の状況が大きく影響すると思うのだが、それがまったく考慮されていない。 作者も後書きで白状しているが、時代考証というものがまったくないのだ。 30年以上を描くのにリアリティが感じられない。 それが惜しいと思う。 乃里子が切り開いた道は、運・不運ではなく彼女が努力した結果、ということを言いたいのかもしれない。 努力すれば成功する、だけではなく、努力しても報われないことも描いているのだが、ストーリーの展開に都合のよいようになっているだけだ。 最後は60歳になった二人を描いているのだが、雲をつかむようなフワフワ感は拭えない。 題材的には悪くないのにもったいない。

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読んだのは半年くらい前のことだ。 映画「つぐない」の原作「贖罪」の読後に同じ作者のものを、と思い読んでそのままになっていたが、思い出したのでレビューしておく。 思い出した理由は、これが「四つの嘘」「今夜誰のとなりで眠る」と同じように一人の人間の死をきっかけにストーリーが始まるからだ。 ことわっておくが、小説のスタイルもテイストもタイプも全く違う。 「贖罪」と同様、シニカルというかトリッキーというか、そして結末は現代風でニヒルである。

モリーという女性が亡くなる。 夫はいたが、彼女の葬儀にはかつて彼女と関係があった著名な作曲家、大新聞社の編集長、次期首相候補の外務大臣といった早々たる顔ぶれが集まる。 彼らの夫に対する気持ちは微妙、そしてお互いのお互いに対する気持ちも微妙。 彼らを通して浮かび上がっているモリーという女性は、いったいどういう女性だったのだろうか。 自由奔放で仕事もできて…、いまいち血肉の通った人間として伝わってこないのだが、これだけの大物達を虜にした彼女は良い意味でも悪い意味でもさぞかし魅力的な人物だったと察する。

そんな微妙な関係の中、彼女が生前撮ったスキャンダラスな外務大臣の写真から、事態は急展開していく。

なぜこの小説のタイトルがアムステルダムなのか最後の最後までわからなかった。

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学生時代からの仲間、男女4人を主軸とするストーリー。 学園ドラマのノリといっていいだろう。 登場人物のキャラはわりとリアル感があったように思う。 なので、この御都合主義のキャラは何よ!みたいな失望感はなかった。 とはいえ、ありきたりと言えばありきたりな内容だなぁ...。

サクサク読めるけどそれだけ。

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