7年目のDINKS士郎と結子が別居するところから物語は始まる。
結子はアラフォー世代。
微妙な世代といえばそう。
別居のきっかけは、借りていたマンションの上階が火事で水浸しになったという事故によるものだ。
彼らには同居の選択肢もとれなくはなかったが、ほんの一時期のことと思い別居する。
別れて暮らしてみたら思いのほか快適で、他の要因も重なり別居生活が長引く。
別居生活中に彼らはそれぞれ不倫するが、それで夫婦仲が変わるわけでもない。
この二人の話を軸に、志木子という若いシングルマザーの女性の話がからむ。
(※ 士郎の不倫相手としてではない。)
最後に思わぬところで人間の輪がつながるのが面白い。
輪がつながった後のストーリーの処理はもうひとひねりあっても良さそうな気もする。
士郎と結子は、ラストで何事もなかったようにまた二人の生活に戻っていくのだから、それくらいでいいのかもしれない。
ストーリーはドラマティックなものではない。
主人公である士郎と結子が淡々としているせいかもしれない。
でもその淡々としているところが、ある意味リアル。
日常生活なんてそんなもの。
ちょっとしたことから方向がそれたりするが、また元に戻っていく。
元に戻る、といっても何かがあった分、何かが変わっているのだが。
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