映画の感想を書くなんて久しぶり。
積ん読状態のDVDの山からようやく一つ取り出してきた。
ミュージカル「My Fair Lady」の原作、バーナード・ショーの戯曲の映画化。
これはミュージカルではないので歌ったり踊ったりというシーンはないのだが、台詞やセットの雰囲気などびっくりするくらい映画「My Fair Lady」と一緒。
…ということは、原作は読んでいないのでわからないが、いずれも原作の戯曲に忠実ということか…。
ラストをハッピー・エンドに変えてしまったのは、この映画から。
有名な台詞「室内履き(スリッパ)をとってくれ」が同じだから、この映画をふまえたうえでミュージカルを作ったということか…。
1938年のイギリス映画というと、ヴィヴィアン・リー出演のものを数本観ている。
そこでは「My Fair Lady」のヒギンズ教授役のレックス・ハリソンと共演しているものがある。
「ピグマリオン」でヒギンズ教授役のレスリー・ハワードはこの翌年「風と共に去りぬ」でヴィヴィアン・リーと共演。
「ピグマリオン」でイライザ役の女優さんは舞台女優さんらしい。
愛嬌のあるチャーミングな女優さんだが、My Fair Lady でのオードリー・ヘップバーンの変身ぶりが強烈な印象なだけに、やはりパーティーのシーンではもっと徹底的に美しく変身させて欲しかったように思う。
ミュージカル映画版と比べて、歌と踊りがなくなったサブセットという印象。
それだけにミュージカル版の方を観れば充分という気がしなくもない。
しかし「風と共に去りぬ」のアシュレイ役とはまったく違ったレスリー・ハワードの演技ぶりを観るのも悪くない。
終盤の、イライザとヒギンズ教授の口論の台詞の応酬は演技として見応えがある。