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バルカン超特急


ヒッチコック作品で、一応サスペンスもので…というわりにはタッチが軽いのにびっくり。
しかし、1938年の英国製作ということで納得。
ヒッチコック作品は1950〜60年代のものを何本か観ているのでそれらと比較してしまった。
監督としての作風も変化するのだろうが、それ以上に世間が求めるエンターテイメント性が大きく変わっていっただろう。


厳しい目で見れば、作りこみが甘い、と思わせる部分は多々あるが、逆に1938年ということを考えると驚きかもしれない。
冒頭はミニチュアで撮られているのはすぐにわかるが、丁寧に作られていること!
肝心のバルカン超特急が出てくるまでの少々時間がかかるので、邦題が適当かというとはてさて…。
どのレディが消えるのか、と想像しながら冒頭の人間劇を観た方が面白いかもしれない。
サスペンスを描きつつそれに終始しているわけでなく、脇役の人間劇が鋭い。
肝心の主人公アイリスが、最後にあっさりと婚約者をふってしまうのは唐突な感じ。
ハッピー・エンドにもっていく結びにより、決して重くならない気軽に楽しめるエンターテイメントになっている。


アイリス演じるマーガレット・ロックウッドのしゃべり方や雰囲気がヴィヴィアン・リーを思わせる。
英国製作ということと年代を考えると、ヴィヴィアン・リーがキャスティングされていても不思議はない頃。
所属プロダクションとかの関係であり得ないだろうけど…。
それはともかく、この頃の英国の女優さんってこんな雰囲気が標準だったのかもしれない、などと思った。


これだけ面白いストーリーなのだから、現代風のセンスでリメイクしたらもっと…などと考えたらとっくにリメイク作品「レディ・バニッシュ/暗号を歌う女」が出ていたようだ。
いきなりタイトルがネタばれなんですけど…(汗)
しかし、結局、オリジナルを超えられなかったようで…。
なんでもコミカルタッチにしたとか。…そりゃダメだ、観ていないけど、たぶん。

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特典満載のメリーポピンズ スペシャル・エディションDVDが発売になった同じ日に、ディズニー・チャンネルでも放映があった。
以前字幕で観た事があるので、今回は吹き替えで観た。
歌まで日本語に吹き替えてしまうのは、ケースバイケースで一長一短。
サウンド・オブ・ミュージック」のような作品では『ドレミの歌』や『エーデルワイス』は日本語吹き替えで聴きたいようにも思うが、残念ながら吹き替えバージョンでも歌は字幕になる。
ディズニー映画では、歌も日本語に吹き替えられる。
この「メリーポピンズ」ではそれで正解だろう。


マイ・フェア・レディ」の主役は舞台ではジュリー・アンドリュースの持ち役だったが、映画では知名度と華がない、ということでオードリー・ヘップバーンになった。
しかし「メリーポピンズ」で映画デビューしたジュリー・アンドリュースは、アカデミー主演女優賞をとる。
オードリー・ヘップバーンは、歌が吹き替えだったと言う理由でノミネートもされなかった。
さらに続きがある。
翌年の「サウンド・オブ・ミュージック」では、2年続けては…ということで主演女優賞は取れなかった。
なんだかなぁ〜。


その「マイ・フェア・レディ」や「サウンド・オブ・ミュージック」には一歩譲ってしまうものの、この「メリーポピンズ」もなかなか楽しい映画だ。
屋外を模したセットがいかにも作り物っぽくてチャチなのが惜しい。
英国の雰囲気は出ているのに…。
しかし、屋根の上で煙突掃除屋が歌って踊る場面があることを考えると、セットにリアリティを追求してもしょうがないのかもしれない。
子役がイマイチかわいくないのも惜しい点。
しかし、映画全体のバランスを考えて、そういうところに目を奪われて欲しくなかったのだろう。


メリー・ポピンズ演じるジュリー・アンドリュースは、「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアとは全く雰囲気が違う。
歌って踊れるだけでなく演技力も確か。
しかし、主演女優賞を取るによりふさわしいのは「サウンド・オブ・ミュージック」だと思う。
メリー・ポピンズは主役という位置づけなのかもしれない。
が、この映画の主役はこの映画自身といった方がいい。
アニメとの合成がかもし出すマジカルな雰囲気。
屋根の上での踊りのシーンは、現実ではあり得ないだけに、圧巻。
映画という手法をうまく生かしたファンタジーだ。
ミュージカルの形をとってはいるが、これは舞台では再現できない。
映画だからこそできた作品だ。
マジカルな世界に安心して浸れる、そんな映画だ。


日本語吹き替えについて。
バートが山ちゃんというのは適材適所。
でもすぐ誰だかわかってしまう。
誰だかすぐわかってしまう吹き替えというのは一長一短で、バンクス氏は永井一郎さん。
銀行では若手のやり手、という役らしいが、波平じいさん(最近ではダンブルドア校長も)と同じ声だからなぁ、余計に老けて見えてしまう(苦笑)。
警官は銭形警部だった…。






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NHK-BS2で放映していたのを観た。
これも何度観ても良い映画。
突然歌い出し踊り出す、というミュージカル映画の典型ではあるが、歌がストーリーに溶け込んでいる分、「マイ・フェア・レディ」よりは受け入れやすいと思う。


ただ楽しい映画だけでなく戦争の影もありスリリングな場面もある。
史実がベースだが、かなり脚色されているようだ。
確か、マリアの著書→ドイツ映画「菩提樹」→ミュージカル舞台版→映画版と変遷していくにつれ、どんどん事実と離れていったようである。
が、映画としての完成度を目指せば当然の成り行きであり、それだけの作品として仕上がっていると思う。


それぞれの歌が、映画を越えて広く知られているのが凄い。
「ドレミの歌」も「エーデルワイス」も映画よりずっと前に知った。
もちろん日本語詞で、だ。
これってこの映画(ミュージカル)の中の歌だったの?ということは少なくないのではないだろうか。
歌の持つ魅力も大きい。


撮影に苦労したという、ザルツブルグでのロケも映画の魅力に貢献している。
風景を観ているだけで、ちょっとした観光気分だ。


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NHK-BS2で放映していた。
何度観ても楽しい。


当時としてはセットはかなり頑張ったと思われる。
今観ると、屋外を模したセットはいかにもセットなのだが、ヒギンズ邸の屋内セットは圧巻。
本がぎっしりの書斎にはうらやましいというか、憧れてしまう。
そして、花売り娘からレディに化けていく様が見事。
白と黒を基調にした競馬場の場面、そして舞踏会、思わず息をのんでしまう。
舞台的な演出も面白い。
舞台でも観たい、と思わせる。


オリジナルのバーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」では、イライザは教授の求婚を断るというものらしい。
そしてさらに続編があり、イライザはフレディと結婚するが、ヒギンズ教授の予想通りの悲惨な生活に陥る。
そして、大佐の世話になりつつ教授がそれを嘲笑、さらに嘲笑していた教授も巻き込まれ、イライザと教授の関係は断ち切れることはないというものらしい。
仮に、イライザが教授と結ばれたところで、教授の性格が変わるとも思えずそちらの場合もハッピー・エンドとはなりそうにない。
いずれにせよ、下町の花売り娘を上流社会の令嬢に仕立てるなど無理な話、どこかで歪みが出てくるのだ。
それを思うと皮肉な話である。
でも、これは楽しいミュージカル映画。
なんとなく希望の持てそうな場面で「The End」と幕切れるので正解。
そもそもこのエンディングは、バーナード・ショー自身が脚本を担当した映画「ピグマリオン」(1938年)と同じだそうだ。
こちらでは、レスリー・ハワードがさらに冷酷なイメージでヒギンズ教授を演じているという。


さて、ミュージカル映画版の話に戻って、イライザのお父さんが脇役が良い味を出している。
ストーリー的には思い切って削除できそうな気もするが、削るにはしのびない好演だ。
3時間の長い映画になってしまったのも納得の内容だ。
しかし、突然歌い出し、踊り出す、というミュージカル映画の典型。
このタイプが苦手、という人もいるかもしれない。


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今までなぜか観る機会がなかったのだが、Movie Plusの放映でようやく観ることができた。
この前観たヒッチコック作品「北北西に進路を取れ」が私にとっていまいちだったので、あまり期待しないで観始めた。
話の導入部はやや退屈ですぐに観る人を引き込む、という感じではなかった。
が、それを差し引かなくてもこれは面白い。
状況は二転三転…最後までどうなるのか目が離せなかった。


出来が良いと思ったら、原作付きだった。
元々は舞台劇だったものを映画化したようだ。
多少古くさい部分はある。
「刑事コロンボ」シリーズのような優れた作品も、この映画の後に世に出た。
しかし、1950年代に、この映画はかなり斬新だったのではないかと思う。


推理もの、とはちょっと違った趣だが、ネタばれは観た時の映画の面白さを損ねてしまうので内容には触れないでおく。

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二匹目のどじょうを狙って、見事(苦笑)失敗したって感じの作品。
劇場公開の時に観る気がしなかったのだが、それは正解だったようだ。
cinefil imagicaで、観やすい時間に放映されていたので初めて観たのだが、これほど…だったとは…。


邦題の「プリティ・ブライド」が全く意味を成していないのだが「プリティ・ウーマン」との関連性をほのめかす、という点ではまぁまぁ妥当なところかもしれない。
関連、といっても続編ではなく、まったく異なる作品。
しかし、同じ監督のもとでリチャード・ギアとジュリア・ロバーツを共演させて、ついでに「プリティ・ウーマン」で良い味を出していたホテルマン役のヘクター・エリゾンドも出演させて、音楽もポップのヒット・チューンを織り交ぜたラブ・コメディ。
ようするに明らかに二匹目のどじょう狙いだ。


「プリティ・ウーマン」の公開から9年後なのだから続編というのは期待していない。
リチャード・ギアとジュリア・ロバーツにしても王子様とシンデレラを演じるにはちょっと歳をとりすぎた。
そこでまったく異なるストーリー、となるのだろうが、この出来が良くない。
いっそのこと「プリティ・ウーマン」をセルフ・パロディしてみるくらいの話の方が良かったのではないかと思うのだが。
敢えて違う話にしてみたのか、スタッフがなぜ「プリティ・ウーマン」がヒットしたのか全くわかっていないかのどちらかに違いない。


「プリティ・ウーマン」ではジュリア・ロバーツの素の魅力をうまく引き出したのが良かった。
しかし、素の魅力で勝負するには「プリティ・ブライド」のジュリア・ロバーツには無理がある。
なまじっかついてしまった演技力がやや空回り、というところ。
リチャード・ギアにしても、金持ちの御曹司→あくせくはたらくライターではイメージにかなりギャップがある。
コミカルな役どころも悪くないが、「プリティ・ウーマン」の二番煎じを狙うならそれは間違いだろう。


逃げる花嫁、ウェディングドレスで逃げる花嫁、の絵がが面白いだけだ。
その他にもコミカルさをちりばめてはいるが、ストーリーが破綻しているところで終っている。


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今月、Movie Plusで放映中。
今年はグレン・ミラー生誕100年だそうだ。
そんなこともあり放映されているのだろう。
何年か前にテレビ放映をしているのを観たことがあるが、また観たくなった。


スウィング・ジャズの創始、グレン・ミラーの生涯を描いているが、音楽映画とか伝記映画とかそんな枠はこの映画には無用だ。
むしろ夫婦愛を描いたラブ・ストーリーとして観てもいい。
自分のトロンボーンを質に入れなくてはならないくらい困窮していたグレン・ミラーが楽団に雇われるところから物語は始まる。
音信不通だった昔の恋人は既に他の男と婚約している。
しかし、そんなことおかまいなしに、グレン・ミラーはデートを申し込み、そして結婚を申し込む。
昔の恋人は、どう考えても無茶や無理を通しているグレン・ミラーのペースにどんどん巻き込まれていく。
その過程がとても面白く描けている。
楽しい。
また、グレン・ミラーの友人達(音楽仲間)が脇役として彩を添える。


そしてエピソードをグレン・ミラーの音楽が彩る。
これだけストーリーとして完成しているのだから、事実と異なる脚色がかなり入っているのだろう。
結局、グレン・ミラーが成功したからめでたしめでたしなんだけど…とも思うが、これは映画。
素直に映画の描く世界に浸ってみるのがいい。


そういう点では、この映画を観たからといって、必ずしもスウィングに興味を持つかというと微妙かもしれない。
でも、スウィング好きでなくても、メロディはどこかで聴いたことのあるようなものばかり。
映画「スウィングガールズ」でスウィングに興味を持ったら、次に観てみると楽しめる映画かも。


それで、さらにスウィングに興味をもっていろいろ突き詰めてみるのもよし、単に映画として楽しんでもよし。


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