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日本での劇場公開は1980年。
映画館では観ていない。
評判が良かった映画なので、ゴールデンな時間帯でテレビ放映され、その時に観た…といっても随分前のことである。
ほとんど内容は忘れていた。


最初に観た時は、「主婦」を失った父子家庭のドタバタぶりが面白い、くらいにしか思わなかった。
改めて観ると、シリアスな部分を非常にクールに丁寧に描いていることに気付いた。
それがこの映画の高評価につながったのだろう。
今となってはそれほど斬新なテーマを扱っているとは思えないが、当時としては、離婚を真っ正面から真面目に扱った映画というだけで珍しかったと記憶している。


メリル・ストリープが演じるジョアンナが、子供を置いて家を出るほど追いつめられる心理、というのは「めぐりあう時間たち」のローラ・ブラウンの心理とほぼ同じだろう。
ローラ・ブラウンは自殺を試みるが思い直して家を出る。
しかし子供を取り返しに戻ることはない。
ジョアンナは、自殺を考えたかどうかはわからないが、家を出た後、子供を取り返しに戻ってくる。
これは時代の違いだろう。
「めぐりあう時間たち」にはメリル・ストリープも出演している。
この頃になってしまうと貫禄たっぷりで、実力はあるのだろうがメリル・ストリープ本人のアクがにじみ出ているようで、私はちょっぴり苦手である。
この「クレイマー、クレイマー」くらいの、主役に一歩譲った感じの地味な感じの方が好感が持てる。


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