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7年目のDINKS士郎と結子が別居するところから物語は始まる。 結子はアラフォー世代。 微妙な世代といえばそう。 別居のきっかけは、借りていたマンションの上階が火事で水浸しになったという事故によるものだ。 彼らには同居の選択肢もとれなくはなかったが、ほんの一時期のことと思い別居する。 別れて暮らしてみたら思いのほか快適で、他の要因も重なり別居生活が長引く。 別居生活中に彼らはそれぞれ不倫するが、それで夫婦仲が変わるわけでもない。 この二人の話を軸に、志木子という若いシングルマザーの女性の話がからむ。 (※ 士郎の不倫相手としてではない。) 最後に思わぬところで人間の輪がつながるのが面白い。 輪がつながった後のストーリーの処理はもうひとひねりあっても良さそうな気もする。 士郎と結子は、ラストで何事もなかったようにまた二人の生活に戻っていくのだから、それくらいでいいのかもしれない。 ストーリーはドラマティックなものではない。 主人公である士郎と結子が淡々としているせいかもしれない。 でもその淡々としているところが、ある意味リアル。 日常生活なんてそんなもの。 ちょっとしたことから方向がそれたりするが、また元に戻っていく。 元に戻る、といっても何かがあった分、何かが変わっているのだが。 |
第126回直木賞受賞作。 これまで何作か唯川恵さんの小説を読んだ。 等身大の女性が登場人物で、読者が共感したり感情移入しやすいパタンの作品が多かった。 こう言ってしまうとなんだが、少女マンガやコバルト文庫を読んで育った世代が、大人になって読みやすいものってイメージ。 ところがこれはちょっと違った。 登場するのは、ちょっと変わった人物ばかり。 女には好かれないが男にはモテまくりでそれを最大限利用して生きていくタイプのるり子。 そんなるり子の唯一の女友達が萌。 るり子とはまったく違うタイプで一見ごく普通っぽいが、るり子につきあっていけるだけあってやはり一癖も二癖もあるといっていいと思う。 こんな女性二人が主たる登場人物なので、共感するとか感情移入するというより、客観的に面白い。 この二人に、崇という15歳の家出少年が加わる。 彼の家出の動機はちょっぴり複雑、でもありがちな家庭環境のせい。 ひょんなことから三人の奇妙な共同生活が始まる。 この人物達に、ごく普通のサラリーマン柿崎と、彼の同級生でゲイの文ちゃん、そして同じくゲイのリョウという人物が物語に幅を添える。 これだけいろいろなタイプの人物が登場するわりには、ストーリーとしてまとまっていてすんなり読める。 るり子はイヤなタイプの女だけれど、彼女ほど自分のやり方に明快に生きられれば(無理だけど)人生は楽しいかもしれない。 |
速攻で軽く食事を済ませたかったので、先日、ミッドタウンに行った時に目をつけていたヌードルワークショップに飛び込み。 パスタのファストフードで、イートインもお持ち帰りもOK。 私が飛び込んだ後に看板を片付けていた…という時間帯のせいか、6種類あるパスタのメニューのうち、半分ほどが既に品切れ。 残っていたものから「生ハムのカルボナーラ」をオーダー。 番号の入っているレシートを渡される。 出来上がると番号で呼んでくれるらしい。 …ということは、ちゃんとオーダーを受けてからパスタを茹でているということ? 本当は、取りに行くのだろうが、閉店間際の人の少ない店内。 席まで届けてくれた。 パスタは紙のカップに入って出される。 お持ち帰り用の容器と兼ねているのだろう。 なんか安っぽい感じ。 量は軽め。 生ハムなど素材は良いものを使っているのだろう。 パスタの茹で加減も良い。 パスタを中心に扱っているお店でも、納得いかない茹で加減のものが出てくることを考えると、かなりおいしいレベル。 でも、900円は高く感じる。 雰囲気がカジュアルなんだから、値段もカジュアルな設定にして欲しかった。 900円出せば、ランチタイムなら、ちゃんとした食器でそこそこのパスタを食べられるお店ってあるんじゃない?って思ってしまう。 700円のメニューにすれば、こんなものか、と思えたのかなぁ…。 |
αシリーズもとうとう35mmサイズ対応α-900が発表になった。 35mmサイズ対応は心ひかれるが、シリーズの最上位機種の価格と本体の大きさは私には縁遠いもの。 これは横目で流した。 …が、気になるのは同時に発表になった「カール ツァイスレンズ」 Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM 『SAL1635Z』。 カール ツァイスに魅力を感じる人は少なくないだろう。 でも私が注目したのは、16-35mmをF2.8でカバーしていること。
…ほ、欲しいかも…
とは思っても、希望小売価格283,500円…ぜ、ぜったい、手が届かない。
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同期入社の乃里子と薫は、同じ人を好きになった。 エリート社員で将来有望な彼と結婚することになったのは薫。 薫は寿退社して専業主婦の道へ、乃里子はキャリア・ウーマンの道へ進む。 二人の道を分けたのは必然の結果ではなく、ほんのちょっとしたこと。 そんな彼女達の27歳から60歳までの物語。 乃里子がキャリア街道まっしぐらかというとそうではなくて、浮き沈みのある人生を送る。 どちらが正解、ということを決め付けたくないためかと思うが、薫も夫の郁夫の浮気に悩んだり自身が不倫したりでこぼこ街道。 薫の方はともかく、乃里子の浮き沈みにはバブルだったり不況だったりという世の中の状況が大きく影響すると思うのだが、それがまったく考慮されていない。 作者も後書きで白状しているが、時代考証というものがまったくないのだ。 30年以上を描くのにリアリティが感じられない。 それが惜しいと思う。 乃里子が切り開いた道は、運・不運ではなく彼女が努力した結果、ということを言いたいのかもしれない。 努力すれば成功する、だけではなく、努力しても報われないことも描いているのだが、ストーリーの展開に都合のよいようになっているだけだ。 最後は60歳になった二人を描いているのだが、雲をつかむようなフワフワ感は拭えない。 題材的には悪くないのにもったいない。 |
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