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NHK-BS2で放映していた。
何度観ても楽しい。


当時としてはセットはかなり頑張ったと思われる。
今観ると、屋外を模したセットはいかにもセットなのだが、ヒギンズ邸の屋内セットは圧巻。
本がぎっしりの書斎にはうらやましいというか、憧れてしまう。
そして、花売り娘からレディに化けていく様が見事。
白と黒を基調にした競馬場の場面、そして舞踏会、思わず息をのんでしまう。
舞台的な演出も面白い。
舞台でも観たい、と思わせる。


オリジナルのバーナード・ショーの戯曲「ピグマリオン」では、イライザは教授の求婚を断るというものらしい。
そしてさらに続編があり、イライザはフレディと結婚するが、ヒギンズ教授の予想通りの悲惨な生活に陥る。
そして、大佐の世話になりつつ教授がそれを嘲笑、さらに嘲笑していた教授も巻き込まれ、イライザと教授の関係は断ち切れることはないというものらしい。
仮に、イライザが教授と結ばれたところで、教授の性格が変わるとも思えずそちらの場合もハッピー・エンドとはなりそうにない。
いずれにせよ、下町の花売り娘を上流社会の令嬢に仕立てるなど無理な話、どこかで歪みが出てくるのだ。
それを思うと皮肉な話である。
でも、これは楽しいミュージカル映画。
なんとなく希望の持てそうな場面で「The End」と幕切れるので正解。
そもそもこのエンディングは、バーナード・ショー自身が脚本を担当した映画「ピグマリオン」(1938年)と同じだそうだ。
こちらでは、レスリー・ハワードがさらに冷酷なイメージでヒギンズ教授を演じているという。


さて、ミュージカル映画版の話に戻って、イライザのお父さんが脇役が良い味を出している。
ストーリー的には思い切って削除できそうな気もするが、削るにはしのびない好演だ。
3時間の長い映画になってしまったのも納得の内容だ。
しかし、突然歌い出し、踊り出す、というミュージカル映画の典型。
このタイプが苦手、という人もいるかもしれない。


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