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NHK-BS2で放映していた。 LDでは持っているはずなのにツイツイ観てしまう。 ストーリーとしてはたいしたことはないし(といってもちゃんと原作がある)、 共感したり感情移入できるような人物も登場しない。 が、効果的に流れるサイモン&ガーファンクルの音楽が映像とマッチしていて心地よく、またそれが 主人公の心情を良く表しているように思う。 初めて観たとき(随分前のことになるが)はカメラワークが面白い、と思ったのだが、 当時、私にとって斬新に見えただけで、今となってはありふれた手法かもしれない…。 しかし「面白い」と思った気持ちは強烈な印象となって残っている。 そして、これほど音楽を味方につけた映像は、他にはなかなかないだろう。 この映画のために書き下ろされた曲もいくつかあったそうだが、結局書き下ろし曲の中から 採用されたのは「Mrs. Robinson」だけ。 他は、既存のサイモン&ガーファンクルのナンバーが使われたそうだ。 なんというマッチング! 「Sound of Silence」も「April Come She Will」もこの映画のためにあるような曲に思えてくるから 不思議だ。 もちろん独立の楽曲としても素晴らしいのだが。

「卒業」を観ると思い出すのがヘルマン・ヘッセ作の「車輪の下」。 今回はなんとなく「青春の殺人者」(邦画)も思い出した。 どれも内容はまったく違うのだけれど、行き場を失い自分に共感してくれるものを求めているた若者を 描いている、という点で共通しているのだ。 音楽を味方につけているという点で「青春の殺人者」も共通していると思う。 しかもこちらも映画のための書き下ろし曲ではない。が、不思議とマッチングしている。

「卒業」はニュー・シネマの代表作、ベトナム戦争を背景にした時代の産物とも言われ、 ベンの行動は今となっては『ストーカー』以外の何物にも思えないが、 そういう味方をしてしまってはつまらない。 この映画は時代を超えるものを持っていると思う。

今回「卒業」を観て気がついたこと。 なんと「奥さまは魔女」のエスメラルダ役のAlice Ghostleyと、クララおばさま役のMarion Lorneが出演していたこと。 「奥さまは魔女」では、Marion Lorneが亡くなった後、ドジでにくめない魔女役ということでお手伝い役としてAlice Ghostleyが登場するようになった。 つまり二人は「奥さまは魔女」では共演していない。 とこらが、「卒業」では、シングルマン・パーティーの会場の入り口で二人仲良く並んで共演している。

そして、主人公ベンのお父さんは「Boy Meets World」のフィーニー先生ではありませんか…。 今まで気づかなかった…。 さらに付け加えると、有名なポスター写真でミセス・ロビンソンの「脚」を演じているのは 「ダラス」のスー・エレン役リンダ・グレイだそうだ。

originally written: 04-May-2004

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