一応、レオナルド・ディカプリオが主演ということなんですが、これは、脇役4人を見る映画です。
つまり、ダルタニアンと元三銃士演じるおじさん(!)俳優の名演技と、豪華な衣装、ロケを楽しめば充分。
双子を一人二役で見事に演じ分けたディカプリオという評判も聞きましたが、どこが?って感じ。
ルイ14世/フィリップ役は、おそらく誰が演じてもあまり関係ないでしょう…。
4人も似たような役どころの脇役がいたら、誰が誰だかわからなくなっても不思議はないですが、それがきちんと描き分けられているのは、役者の力量。
それぞれ個性豊かに、立体的にそれぞれの人物を映し出していると思います。
それは原作の話か?
そのおじさん達は、ガブリエル・バーン(ダルタニアン)、ジェレミー・アイアンズ(アラミス)、
ジョン・マルコビッチ(アトス)、ジェラール・ドパルデュー(ボルトス)。
物語の佳境で、4人が、昔の銃士の制服で現れる場面は、「かっこいい」の一言につきます。
残念ながらテレビの画面でしか見たことがないのですが、この場面を映画館の大スクリーンで見たらさぞかし迫力があったことでしょう。
ストーリーは…、デュマの有名な小説がベースなのですが、おそらくこの小説をちゃんと読んだことをある人は少ないのではないかと思います。
が、ダルタニアン物語、三銃士、鉄仮面…どれもどこかで聞いたことがあるような話。
おそらく、デュマの小説をさらに脚色、翻案、ダイジェストした形で伝え聞いているケースの方が多いのでは。
デュマの小説にしても、まったくの創作というわけではなく、そのベースには史実があります。
鉄仮面については、伝説化していますが、デュマの作品とは別に、脚色された話が出回っています。
そんなわけで、なんとな〜く知っているけどよくはわからない、という話をぐっと凝縮して(?)見せている映画でもあるのですが、きっとそこには、映画化にあたってさらなる脚色がされていて…という具合に結局大元の話とはかなりかけはなれていることは間違いありません。
とにかくひろ〜くあさ〜く面白そうな要素を適当に詰め込んでストーリーを作っていますから、リアリティはありません。
いくらなんでもそんなわけないでしょう、の連続なのですが、そこを言ったらおしまいなので、深く考えずに豪華絢爛なフランス時代劇を楽しむべき。
映画の尺がやたらと長いですが、肩の力を抜いて楽しむエンターテイメントです。
そしてそのエンターテイメントを支えるのが、豪華な衣装と贅沢なロケ収録。
そしてしぶ〜いおじさまたちの演技、というわけです。
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