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金曜ロードショーで放映していたのを観た。
吹き替えキャストが現在発売されているDVDとは違っていた。








アン王女オードリー・ヘプバーンすずきまゆみ
ジョー・ブラドリーグレゴリー・ペック津嘉山正種
アーヴィング・ラドヴィッチエディ・アルバート内田直哉
ヘネシー支局長ハートリー・パワー富田耕生
ヴィアバーグ伯爵婦人マーガレット・ローリングス谷 育子
マリオ・ディラーニ(美容師)清水明彦

これはこれで悪くなかった。
…が、オードリー・ヘプバーンの吹き替えは池田昌子さんで聞きたい、と思ってしまう。
かといって、現在発売されているDVDの池田昌子さんの吹き替えがいいのかというと…。
やはり近年吹き替え直したものは少々苦しいものがあると言わざるを得ない。
さらに言えば、美容師役の吹き替えは広川太一郎さんでないと!(笑)


古い吹き替えで馴染んでしまった人も決して少なくないと思うのだが、以前の吹き替え音声は残っていないのだろうか。
現在の技術があれば、現存するテープが多少痛んでいたとしてもなんとかなるものだと思うのだが…。
放映でカットされた場面の吹き替えが無い、などとなると難しいのか…。


今回観て思ったのが、意外に台詞が少ない、ということ。
暴走してしまった後の警察の場面では、サイレント映画風の雰囲気が逆に効果的だ。
オードリー・ヘプバーンの素の魅力を生かすには、下手に台詞をはさむより、映像に語らせる方がずっといい。
そして、50年前のローマの街並がさらに雰囲気を添える。


今ローマに行っても「ローマの休日」のロケ地を訪ねる観光客であふれかえっている。
スペイン階段なんてアイスを食べる人だらけだ。
映画の中のオードリーも50年前のローマの街並も、それはフィルムに収められた映画の中だけにある。
だが、それだけでもこの映画は充分だ。
細かいことを言えば、ストーリーはお伽噺のようでリアリティがない。
王女の脱走なんて、テレビが普及した今では考えられないストーリーだ。
また、カットのつなぎが粗い部分が気になると言えば気になる。
50年前の映画なんてこんなものなのだろう。
それでも今では再現することのできないフィルムの中だけの世界、これがその映画の魅力だと思う。

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