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一言で言えば、2006年の来日公演の追加公演って感じ。 それは想定内なので、それに関して失望なし。 一回公演だし、しかもツアーの途中で日本に一日だけ寄れることになったからコンサートもやっちゃおう、みたいなノリのようだ。 複数回公演がない分、客も凝縮されて良かったのではないかと思う。 ビリー・ジョエルのヒット曲はロックでノリノリなものばかりではないから、スタンディングで掛け声かけてイェイ、イェイ〜って感じではないが、充分、盛り上がっていたと言えるのではないだろうか。 人によって、ずっとスタンディングで手拍子していたい人と、ゆっくり座って落ち着いて聴きたい人と両方いてもそれはアリだろう。 それがなかなかうまく共存できないから難しいのだが…。

マニアには多少入れ替わった曲や順番が大きいのかもしれない。 一方、2年前と同じじゃない〜というネームバリューにのみ釣られて来たような客層もいたのではないかと思う。 私は、2年前の公演にも行っているがOK…ライブは生ものだから、ほぼ同じ内容のものに複数回足を運ぶのはアリ。 やっぱりたまには良いプレイヤーの奏でる音楽のシャワーを浴びないと…。

「My Life」の途中に掛け声で「バカヤロー」。 意味はともかく、語呂がよくてずっと使っているのだそうだけど、思わずニヤリ。 これは日本以外のコンサートでも叫んでいるようだが、「One, two, three, four」とカウントを取るかわりに「イチ、ニ、サン、シッ!」としていたのは日本サービスだろう。

クラシック・ピアノの道をしっかり通ってきているビリー・ジョエルのピアノ演奏は、やはり感動モノ。 これを聴く為に来た、といっても過言ではない。 それにサックスやトランペットが色を添える。 かなりジャズ・テイストな「Zanzibar」はとにかく演奏がカッコイイ。 「ヒット・シングルでもないのになんで演るんだろう?」とビリー・ジョエルは言っていたが(もちろん英語で)、これはライブで聴く方がずっと素晴らしい曲。

ローディーの一人が出てきて歌う「Highway To Hell」がまたあった。 ここでビリー・ジョエルがジャイアンツの帽子を被ったから場内大ウケ。 2年前もそうだった(笑)。 しかしウケたのはそこまで。 ビリー・ジョエルのコンサートに来て、本人以外が歌う本人以外の曲ってことで、場内“ポカ〜ン”の雰囲気。 私は2年前で免疫が出来ているし、事前にビリー本人が「『アメリカン・アイドル』みたいなものだから」と解説していたが、場内大多数には英語の聞き取りの難に加えて、おそらく『アメリカン・アイドル』というテレビ番組の知名度が低かったに違いない(苦笑)。

「It's Still Rock'n'Roll To Me」でスタンドマイクをスタンドごとくるくる回したり投げたりするのも、2年前もやっていた。 こういうところはホントはスタンディングでノリまくるところなのだろうが、わりとおとなしい客席。 『Glass Houses』はアメリカではヒットしたアルバムでシングル・カットされた曲もヒットしたが、日本では他と比べるといまいちなヒットだったようだ。 アンコール前のラスト曲「You May Be Right」は最近の一枚モノのベストCDには収録されていない! ついでに言うと「Pressure」も...。 ヒットしていたのをリアルタイムで知っているだけに、客席のノリがいまいちだったのが不思議だったのだが、しょうがないか...。

「First ex-wife の歌なんだけど…」と「Just The Way You Are」を歌ったけど、Second ex-wife の歌(「Uptown Girl」)は歌ってくれなかったなぁ....

で、アンコール。 「さくらさくら」「SUKIYAKI」のピアノ演奏を交えつつ2曲。 やっぱり最後は「Piano Man」 時間はほぼ9時(笑)。 冒頭の「It's nine o'clock on a Saturday」は曜日を変えずそのままだったけど(前回は確か変えていたような気がしたのだが…)、他はいろいろ歌詞を変えて歌っていたようだ。 「Tokyo」はみんなわかったのではないだろうか。 お決まりの客席の大合唱あり。 声を出して歌っている人ばかりではなかったが、気持ちはみんな歌っていたのではないかと思う。 ビリー・ジョエルのコンサートで良いなぁ、と思える瞬間。

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