行かないとやっぱり後悔しそうであわててチケットを取ったイーグルスの公演に行って来た。
たくさん人を収容しようと思うとドームという選択肢になるのかもしれない。
が、開演時間過ぎてもいつまでもワサワサとしている会場を見ていると、コンサートはせめて武道館クラスがいいよ、などと始まる前に気分が落ち込みかけた。
でもそんな気分もオープニングの Long Run のイントロが聴こえてきた途端吹き飛んだ。
やっぱり来て良かった〜。
アリーナ席は最初から総立ち。
さすがに1階席はもう少しテンション低め。
アリーナは前の人が立ってしまったら立つしかないから、傾斜のついている1階席の方が、自分のペースで楽しむには気楽。
イーグルスのメンバー4人の他にサポート・プレイヤーが8人もいるので、音の厚みは凄い。
聴いていて安心する。
メンバー全員がソロ・ボーカルをとってしまうのがイーグルスだ。
それもそれぞれ特徴があって面白い。
I Can't Tell You Why (言い出せなくて)を歌うティモシー・B・シュミットは、この曲が流行った当時とまるで変わらない容姿というか雰囲気で、懐かしいやら何やら…。
ドン・ヘンリーのソロ・ヒット The Boys of Summer を聴いた時に思った。
私はイーグルスとはすれ違ってしまったんだ、と。
名曲に時間の流れは関係ないが、曲にとって旬の時代、というのが存在する。
そして、聴く者にとっては、ある時代を一緒に駆け抜けた曲というのがある。
やはりそういう曲には、名曲を後追いで聴くのとは違った想いがあるのだ。
そういう意味では、私はイーグルスのコアなファンにはなり損ねた、と認識した。
メンバーがそれぞれソロをとるだけではなく、コーラス・ワークも良い。
第二部の始めはアコースティック・サウンド+コーラス中心。
911の事件をきっかけに書いたという曲 Hole in the World のコーラスが美しく心に染みた。
後半はさらにソロ曲が多くなる。
イーグルスのカントリー・テイストなサウンドよりはロック色が強い。
ソロ曲は80年代にヒットしたものは別として、あまり知らなかったり馴染みがなかったりする。
が、どれもノれるタイプの曲ばかり。
コンサート終盤に向けてテンションが高くなっていく。
いや、テンションが高かったのはジョー・ウォルシュか?
ヘルメットまで被っちゃうんだから(笑)。
(後から理解したのだが、HELMET CAM …つまりヘルメットにカメラが仕込んであってそれで客席を映していたらしい。
客席が映っていたのはそういうことだったか。)
しかし、ワッザッァーというのはいまいち意味不明だったが…。
(これも後で知ったのだが What's Up らしい。)
客席でテンションが高くなるのは、まだあの曲も出ていない、この曲も出ていない、まだまだ終らない、という期待でもあるのだが…。
Heartache Tonight はシングル・ヒットだけあって客席のノリがまた違ってくる。
「これってイーグルスの曲だったんだ〜」という声がどこからか聞こえてきたのには思いっきり(ズルッ)だったが(だって一応イーグルスのコンサートの場だし…)、いろいろな方たちがいますらかね、はいはい。
あの曲も出ていない、この曲も出ていない、という状況でステージはいったん終了。
当然のアンコール・コール。
トランペットの独奏に続きあのギター・イントロが!
そう Hotel California だ。
これ聴かなきゃ帰れないでしょ。
残念ながらオリジナルメンバーではないが、サポートのギタリストがダブル・ネック・ギターでジョー・ウォルシュとギターの掛け合いを再現してくれた。
ダブル・ネック・ギターというのがやはり嬉しいじゃないか。
Hotel California 一曲でまたメンバーは引っ込んでしまう。
この辺りでゾロゾロと出口に急ぐ人たちが見えてしまうのは思いっきり嫌だ。
それぞれ都合があるのかもしれないが。
アンコールは3回目まであった。
ここまで出し惜しみしなくても…という感じだが、最後に Take It Easy と Desperado を聴いてそんな思いも忘れてしまった。
しっとりと締めたコンサートだったが、イーグルスのメンバーはみんな元気。
50半ば過ぎたオジサンたちとは思えないくらい、飛んだり跳ねたり、グレン・フライはダンスしていた。
ソロ曲であってもそれなりにみんな楽しそうに演奏している姿が、観ている方も嬉しい。
イーグルスのアルバムはすべて持っているので、新曲だけのためのベストCDを買う気はしないのだが、コンサートで聴いたコーラスが良かった…。
このツアーのDVDでも出ないかしらん…。