球場って“Piano Man”のコンサートを聴く場所じゃないよねぇ、と思いながら開演を待った。
一曲目の「Prelude〜Angry Young Man」でそんなモヤモヤは一気に吹き飛ぶ。
あのピアノのイントロ。“Piano Man”Billy 健在!万歳!
そりゃあ、ピアノの音を聴く環境ではない、というのはわかっているのだが、とにかく生きているうち(自分がか?Billy Joelがか?)に見られて良かったという思いが強く支配する。
ドームだというのにオペラグラス(双眼鏡の方がベターか?)を持っていかなかったのは失敗。
表情もピアノを弾く手元もスクリーンにたよらないとまったくわからない。
ステージ上で動いているのは肉眼でもわかるのだが。
しかし、ピアノを弾く手元が良く見える席なんていったいいくつある?
そう考えるとそれはスクリーンで見るのが正解なのかもしれない。
しかし、上手い。
いいなぁ、あんなに弾けて。(笑)
有名な「第九」のフレーズ。
そういえばミレニアムコンサートでも「第九」を使っていたっけ?
そしてそのままなだれこんだのは「My Life」
この後数曲、1970年代の曲が続く。
何年のアルバムから、と言ってくれるのだが、リアルタイムで聴いていないので正確な年を聞いてもピンとこない。
しかもどれがシングル曲でどれがそうでないかもさっぱり。
でもちゃんと後追いで聴いているからよく知っている曲ばかり。
Billy 自身もまだまだ元気だが、とにかくバックを務めるミュージシャンが素晴らしいと思った。
それぞれが聴かせどころ、見せ場のある曲を順番に演っていく。
プレイヤーとしてだけではなく、コーラスも Billy の声と自然に馴染んでいて違和感がない。
聴いていて気持ちがいい、スゴク。
「New York State of Mind」... やっぱり本モノに限るよね。しみじみ。
「The Stranger」は日本公演だけのプレゼントだとか。
日本だけでヒットしたような曲といえば「Honesty」だと思っているのだが「The Stranger」もそうなのか?
ともかく日本人好みの曲に違いない。
さすがに高い音域を歌うのは辛そう。
それで他の公演では外してたのかな?という気がしなくもないが、演ってくれたことに感激。
しかし、手拍子でノリノリで聴くような詞の内容でもないのに、客席ノリノリ。
ま、そういうものか。
三塁側に席を取ったのは、ピアノを弾く手元が見たいからだったのだが、遠すぎて意味なし。
しかもピアノは右に左にと位置を変えられるように回転する。
ごもっともなサービス…。
で、ピアノを離れてスタンド・マイクの前で立って歌ったのが「Innocent Man」
ピアノ弾きがあんなに指をならしていいのか?というくらい指は良くなっていた(笑)。
「Innocent Man」はしっとりめの曲なので静かに歌い上げていたが、ノリの良い曲では、マイクをスタンドごと振り回す。
バトンじゃないのに、クルクル回してしまうわ、投げるわ…という暴れっぷり。
元気なジジイだ(笑)。
(注:風貌はすっかりジジイだがまだ60歳前)
もちろんピアノを弾いてもそうだ。
さすがにピアノの上に立つことはなかったが(昔の公演の映像でグランドピアノの上に立つ姿が残っている)。
エレキギターを持たせれば、ステージの端の端まで行っちゃうし、健在っぷりを見せ付けてくれた。
知っている曲ばかりのコンサートって楽し〜!
歌詞を時折『Tokyo』に替えて歌うのもサービス。
カウントを『イチ、ニ、イチニサンシ』と日本語でやるのもサービス。
アンコールで再登場したときはジャイアンツの帽子を被って出てきた。
球場だものね、ここ。
願わくばドームでなければ、と思っていたが、そんなことはどうでもよくなってきた。
さてアンコールでおもむろにハーモニカを出してくれば、もうこの曲しかないでしょう、と思うのだが、ピアノが奏で始めたのは「さくらさくら」のメロディ。
おぉ〜と思ったら「Piano Man」につながった。
サビの部分では客席の大合唱。
そうそう、Billy のライブ映像を観ているとよく客席が歌っている部分だ。
サビとはいえ英詞だから日本人が歌うにはちょっと敷居が高い。
どうかな?と思っていたら、怪しい意味を成していないカタカナになっていたような気はするが、客席が一体となった感じがした。
客席がちゃんと歌っているので、そこの部分ではステージでも客席に耳を傾けている。
なんともいえない瞬間と空間。
あ〜満足。
しばらく勝手にMYブーム。
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