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思いっきり荒っぽい要約をすれば、三角関係+1のお話。 ありきたりと言えばありきたりなストーリー。

親友と夫と両方を騙した美帆というキャラには感情移入も何もできない。 でも彼女は最終的に将来有望な男の「妻」という座を守る。 手に入れるものは入れた。 そんな彼女のやり方を、好きになることはできないが、否定することができるかというと…難しい。

二人の女性から思われた入江という男。 これが読者にはまったく魅力的には映らない。 美帆と結婚したのに、騙されたことがわかると、不倫する。 そういう男は世の中にいくらでもいるかもしれないが、このストーリー中、二人の女性が思いを寄せる男なのだ。 もっと魅了的なキャラであって欲しい、と思う。 唯川恵の小説に登場する男性キャラはダメ・キャラが多いなぁ…。

粧子は主人公だけあって一番丁寧に描かれている。 それだけに、彼女のやり方は読者としては納得できるし部分的に共感できる時もある。 とはいっても深い何かがあるわけでなく、少女マンガチックなノリをそのまま20代OLにあてはめた感じのありきたり感。

そして、ひょんなことから粧子と関係を持った後輩の男。 ストーリーに合うような御都合主義のキャラクターで、最後においしいところを持っていくが、立体感のないキャラ。 ちょっとイイ子過ぎないかな。 なんとなくいそうな感じのするキャラではあるが、かなり稀有な存在なはず。

表面的には丸く収まったエンディングなので、読後感は悪くない。 なので、かる〜い読み物として読むなら許容範囲。

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