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Live Aid のDVD発売に続き、こんな本が出た。
宝島社だし、ここぞとばかりタイミング良く出版されたミーハー系の内容かと思ったら、そうでもなくこれがなかなか良い。
別にミーハー系が悪いというわけではない。
が、それはそれ。
これは、第三者的に客観的に「ライヴ・エイド」というイベントを分析、解説、検証している内容といえる。
「ライヴ・エイド」を改めて観たとき、出演者そして夢のような顔合わせの共演といったことに目が奪われがちだ。
実際、それが目的でDVDを購入する人も少なくないだろう。
そして、そういったミーハーなファンが買ってくれることを、チャリティとしても期待している。


それで終ってしまっても構わないが、もう一歩踏み込んでみたい時にこの本は役にたつだろう。
「…例えば69年に行われたウッドストックのような時代の節目を象徴するような出来事では決してなかったし、…」(33ページ)とあるが、確かにそうだ。
かといってチャリティという面を照らしてみても「チャリティで先進国から集められたカネは、先進国などの外国に還流していた」(50ページ)のである。
悲しいかな、これが事実。
いくらチャリティにお金を出しても、その大部分は、本当に困っている人の手元に直接は届かないのだ。
だからといって無駄だというつもりは毛頭ない。
大部分が途中で、経費と言う名で消えて行くとはいえ、それでも残ったものを必要とする人がいるのだ。


ライヴ・エイドが節目となったとは思わないが、1980年代後半以降、ポピュラー・ミュージック界は元気を失って行ったように思う。
ライヴ・エイドは一応の成功を収めたと言える。
が、それは、それまでサブ・カルチャーだったものがサブでなくなることを意味したのかもしれない。


ところで、この本もチャリティだったら良かったのにね。

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