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日テレで深夜に放映していた。
原作は、ジョン・ル・カレの小説『パナマの仕立屋』。
訳本の邦題と同じように映画の邦題も「パナマの仕立屋」とした方がずっと良いのではないかと思うのだが。
なんといったって「仕立て」がキーワードなのだから。


007のピアース・ブロスナンがスパイを演じているが、正統派、王道のスパイ映画ではない。
スパイといっても、ピアース・ブロスナンにとってはセルフ・パロディ的な役柄。
これに拒否反応を示す人もいるようだが、これはこれでいいのではないだろうか。
007のようなかっこいいスパイを、007シリーズ映画以外で演じたって…ねぇ。


パナマの仕立屋ハリーを演じるのは、ジェフリー・ラッシュ。
やや神経質な役柄は、ピアース・ブロスナン演じるスパイと対象的。
だが、重くないか?
いや、ハリーはあれでいいのかもしれないが、映画全体の味付けとしてもっと軽くても良かったのではないか?
とはいえ、原作はもっと重厚感があるそうだ。
原作者のカレが脚色として映画製作に関わっているにもかかわらず、改変されて軽いノリになっているという。
しかし、単純に楽しむには後半が重すぎると思うのは私だけだろうか。
徹底的にシリアスに描くならむしろその方が良いし、ピアース・ブロスナンをスパイ役に起用することから、思い切ってコメディ仕立てにしてしまうか、どちらかにするべきではなかったか。
実際、興行成績、評判ともにふるわなかったようだし。


実際にパナマでロケをした映像は良かったが、あまりにおもちゃな飛行機には笑ってしまった。
B級スレスレの出来といったところか。


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