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1998年のドイツ映画。

ローラがひたすら走る映画なのですが、ただ走ったのではマラソンになってしまいます。 そこで、同じ条件で僅かながら状況を変えて、3回、ローラは走ります。 2回、時間が巻き戻されるのですが、僅かながら状況が変わることによって、3つのエンディングは異なります。 最初の2回はバッド・エンディング。最後の3回目は、妙に良くできたハッピー(?)エンド。 バッド・エンディングだとちょっとした挿入場面のあと、時間が巻き戻されて最初に戻るので、良くも悪くもゲーム的と言われているようです。 ゲームならばランダムな要素に左右されて、次の展開が変わることもあるかもしれませんが、これは映画。 3つのパタンは、僅かながらに状況が異なっていることはわかりますが、もう少しその変化に説得力を持たせて欲しかったように思います。 でも、ちょっと違ったら最後は大きく違うよ、ということを描きたいのではなくて、ローラが走る姿を描きたい、ということであれば、このようになってしまうのも仕方ないのかも。

ローラが走る理由というのが、情けない恋人のために金を用意するため。 リミットは20分。 手っ取り早く、銀行頭取の父の元へ走る、というわけです。 ローラが走る、ということにこだわらなければ「走って行く」「自転車で行く」「ヒッチハイクする」とかいろいろなパタンが考えられます。 そのように状況をずらした方が、面白かったようにも思うのですが、ローラをとにかく走らせたい、というのであればしょうがない…。 そんなわけで、アイデアは悪くないのですが、、ストーリーとしてみると、かなりどうしようもない…。 そこを、斬新な映像表現とBGMのテクノサウンドが補っています。 見ているほうが目が回らない程度にスピード感があります。

ストーリーをもって練りこめば、もっと上質な映画になったように思います。 最後のパタンで、カジノに行って大金を get しちゃう、というのはなんとも安直で、もっとどうにかならなかったものか、と悩んでしまいますが。

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