誰も知らないは、明を演じた男の子、柳楽優弥君がカンヌの主演男優賞をとったことで話題の映画。
また、ショッキングな実話がベースになっていることも、話題づくりに一役買っているように思う。
まぁ、そんな話題につられて観てしまった訳だが…。
ドキュメンタリー風の映像は、つい、ここはどこだろう、なんて思いながら観てしまう。
そんな情景にまどわされてしまうだけ、実は、損しているかもしれない。
肝心の子供達から気がそれているからだ。
子供達の素を生かしつつ、物語を作り上げていったのは上手い。
キャスティングに成功した、これなくしてはこの映画はあり得ない。
主演男優賞をとったとはいえ、それは柳楽優弥君の演技力というよりは、天が彼に与えた「gift」によるところが大きいと思う。
実話だと思ってみると大きな間違いだ。
実話はあくまでもヒントになっているだけだと思ったほうがいい。
兄弟姉妹の年齢構成も違う。
あの微妙なバランスはあの設定でこそ生きてくる。
映画にするのに都合の良いよう変えたわけだ。
その辺り、間違った認識が変に広まらないことを願う。
映画は事件のショッキング性を伝えるものではないと思う。
見ても見ぬふりの都会。
知っていても知らないふりの都会。
そんな都会の一角で起こるべくして起こったように思える。
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