スウィングガールズを観てきた。
なかなかの盛況ぶり。
面白いといえば確かに面白い。
面白く作っているから。
そのためにドラマ性を犠牲にしているのかもしれない。
だが、これはドラマ性のあるストーリーを鑑賞するというより、ギャグを楽しむものだろう。
そして、やはり最後のステージでの演奏シーンは楽しい。
映画中にもあるように、ジャズは蘊蓄親父がブランデーグラスを傾けながら聴くもの、そんなイメージがあるのは確かだ。
だからといってそれが古くさいとか、ジャズの音楽の良さが損なわれるわけではない。
が、こんな底抜けに明るく楽しくスウィングできるのは、演奏しているのが女子高生という設定だからだと思う。
演奏に長けたプロのジャズ・ミュージシャンには、逆にこんなに明るいパワーは出せないのではないだろうか。
良い演奏、素晴らしい演奏を聴きたいのならば、プロの演奏を聴けばいい。
それはそれで楽しめるだろう。
が、ここには、そこにはない良さがある。
だから、こんなに明るく聴けるのだと思う。
ただし、宣伝(というか緻密なプロモーション)に助けられていると思う。
演奏経験がほとんどない女の子達が吹き替えなしで挑戦している、といった事実を知らなければ、どうせ吹き替えているんだろう、とか、経験者を使っただけだろう、と思われても仕方がない。
(ホーンやブラス楽器というのはそれくらい音を出すのが難しい。)
ドラマはそこに至るメイキングにあるのだ。
メイキング映像(フジテレビ721+739で放映している)の方がはるかにドラマ性がある。
そして、映画なんだから、もう少し映画的なカメラワークを狙ってもいいように思ったのだが。
しかし、イノシシのシーンは笑えた。
あのチープさ加減がかえって味になっているとは!
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