日本映画専門チャンネルで今月放映している。
この映画は公開時に映画館で観た。
その当時は、細菌兵器などというものはピンとこなかった。
むしろ米ソの対立の方がリアリティがあった。
今観ると、むしろ米ソの冷戦の方が冗長に思える。
これでもか、これでもか、と悲劇をたたみかけてくる。
映画の最初から最後までテンションが高いままだ。
そういう意味ではどこにクライマックスがあるのだかよくわからないのだが、最後までひきつけるものがある。
やはり原作がしっかりしているからだろう。
長編の映画化の常だが、原作を読まないとよくわからない部分、理解しにくい部分も多々ある。
しかし、それは映像で補えるだろう。
原作にほぼ忠実に映画化されているが、細かい点で異なる。
原作では南極に残された人数はもっと多かった。
映像化の都合か、あるいは、より現実に即した数字に変えたのかはわからない。
マリトについても、確か原作ではもう少し年配の女性だったはずだが、まぁ、映画にするにはある程度「華」ががないと様にならない。
(オリビア・ハッセーのカネボウのCMはたしかこの前年だった。)
マリトに最初にキャスティングされた女優さんはラストのシーンで海に入っていくのを嫌がったのでおろされて、オリビア・ハッセーが起用されたようなことが、パンフレットに書いてあったと記憶している。
そんなことはどうでもいいのだが…。
死に方がみんな綺麗、というのも少々ひっかかるのだが、まぁこの頃の映像表現だとこんなものだろう。
良い意味で、角川映画が非常に元気だった頃の作品であり、それを象徴するかのような作品に仕上がっていると思う。
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