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シネフィル・イマジカで今月放映中。
今年、トム・ハンクス主演でリメイクされている(「レディ・キラーズ」)。
また、この作品のシチュエーションは確かアニメ「ルパン三世」(TVシリーズ)でもパクられているものがあったと記憶している。


このオリジナル版では名優アレック・ギネスの演技が光る。
アレック・ギネスは「頭の良い」泥棒役で教授になりすましマダムの家に下宿する。
このマダムが品は良いのだが、ちょっと癖のある老婦人。
この人の良い老婦人をだまして泥棒の片棒を担がせるのが教授の作戦だ。
この泥棒一味に「ピンク・パンサー」シリーズのピーター・セラーズとハーバート・ロムが共演している。
残念ながら、「若い」泥棒役のピーター・セラーズの出番は少ない。
40分以上も台詞がカットされてしまったとか。
まぁ、その程度のちょい役だ。
セラーズは「太っちょでちょっと鈍い」の泥棒の役を希望したのだそうだ。
そう、まだこの頃のセラーズはかなり太っている。
ハーバート・ロムは、…「硬派」とでもいうのだろうか、ギャング風情の泥棒役でことごとく教授と対立する。
セラーズよりは目立った役だ。
「ピンク・パンサー」シリーズのドレフュスとはかなり雰囲気が違う。


泥棒の手口は、あまりにのどかでハラハラする前に終ってしまう。
(1950年代ってこんなものか…)
見所は金を現金輸送車から盗み出した後から始まる。
この泥棒達、実は結構間抜けでそれ故マダムに盗みがばれてしまう。
追い詰められた泥棒達はマダムを消そうとするのだが、殺しに手を染めるほど肝がすわっていないようでそこからドタバタが始まる。
そのドタバタが面白い。
しかし、コメディのわりには、暗い。
英国映画ってコメディでもこんなものか。
泥棒達は内輪で争った末、一人一人死んでいく。
素直に笑えない感じ…。
もうちょっと明るい演出にしてくれればいいのに、と思ったのだが、最後のオチでその考えは帳消し。
なんてシニカルなオチ!
この映画はこれでいい。


癖のある老マダムを演じるケティ・ジョンソンが良い味を出している。
そして、とにかくアレック・ギネスの目つき顔つきが凄い。
「頭の良い」教授役とはいえ、しょせんは間抜けな泥棒なのだ。
そのちょっとずれた感じを良く表している。
そして、そう思って見なければギネスだとわからないかもしれないくらい役に入り込んでいる。
名優と言われるだけのことはある。
セラーズは自分の役には不満だったようだが、ギネスと共演できて喜んでいたという。
ギネスの演技を観るだけでも価値あり。
な〜んて書くと大袈裟かもしれない。
作品自体はシニカルなコメディだから。


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