先日、ピンク・パンサー フィルム・コレクションのDVD-BOXが発売になった。
LD時代は、巡り合わせが悪かったのか、ピンク・パンサー(クルーゾー警部)シリーズのうち、「ピンクの豹」と「暗闇でドッキリ」しか入手できなかった。
最近ではテレビでもあまり放映されず、残念に思っていたところ、去年だったかNHK-BSで一挙に放映された。
そして、今度はDVDリリースである。
しかし、このBOX、なぜか「ピンク・パンサー2」だけノケモノだ。
勘違いしたのだろうか。
「暗闇でドッキリ」はピーター・セラーズ扮するクルーゾー警部の映画第2段ではあるのだが、ピンク・パンサーは出てこないので、「ピンク・パンサー」シリーズの第2段ではないのだ。
余談になるが、ピーター・セラーズではないクルーゾー警部の映画もあって、ややこしい。
DVDを買って、すぐに見る時間がないと、とりあえず特典映像だけを先に観てしまう。
このBOXには特典ディスクがついているのでまずそれをセット。
DVDの特典映像っていうのがどれだけの長さかわからなくて、うっかり見始めたら長くてはまってしまうことがある。
これも、別ディスクになっているだけあってなかなかのヴォリュームだ。
「ピンクの豹」にセラーズが起用されたのは、元々クルーゾー警部に決まっていたピーター・ユスチノフがドタキャンしたからだとか、王女の役にはオードリー・ヘップバーンを考えていたとか、今まで知らなかった興味深い話があった。
また、セラーズはラジオで長く活躍してきたので、声色や声の演技は申し分なくアドリブも多かったが、コミカルな動きは監督のブレイク・エドワーズが全部考え出したものらしい。
それでも、本来主役だったデビッド・ニーヴンを食ってしまい、クルーゾー警部を活躍させるために脚本が変更されたというのだからたいしたものだ。
「ピンクの豹」と「暗闇でドッキリ」の後、「ピンク・パンサー2」の映画が作られるまで随分間があるのだが、セラーズが乗り気ではなくて、結局稼ぐ必要が出てきて、それで「ピンク・パンサー」シリーズの製作が再開されたらしい。
…ということは、セラーズがハリウッドでもっと認められていたら、シリーズは製作されなかったのだろうか。
そんなことを考えるとちょっと複雑な思い。
そんな裏話は知っていても知らなくても、映画の本編は面白い。
ドタバタのコメディでシリーズの2以降はオバカ映画とも言えるのだが、特典映像にあった言葉を借りれば「どことなく品の良さが残っている」のが良い。
そしてやはり、オシャレなヘンリー・マンシーニの音楽抜きには語れないだろう。
映画を観たことがなくても、どこかしらで音楽は聴いていると思う。
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