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1980年代のヒット・メイカー、ホール&オーツのイメージは、世間的にはまさにこの一枚に集約されているように思う。
シングル・ヒットした「Private Eyes」のようにとにかく明るくポップ。
ブルー・アイド・ソウルっぽい曲は「I Can't Go For That」くらいかも。
でもこれもこのアルバムからのシングル・ヒット曲。
当時のコンサートでもこのアルバムからの曲がかなり演奏されている。
ホール&オーツの一番ポップな一面が集約されているのが、このアルバムのように思う。
1980年代のヒット・シーンを象徴するかのようなアルバムでもあると思う。
ある意味、一番ホール&オーツらしくないアルバムかもしれない、実は。


とにかく「Private Eyes」はヒットした。
そんなに凝った映像でもないが、プロモ・ビデオもさんざん見た。
そして、今でも彼らがコンサートをやれば、客席の手拍子がバッチリ合うのがこの「Private Eyes」だ。

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最初は、とにかくどこかで一度行けばいいや、くらいの気持ちだったのだが、なりゆきで三連休三回分のチケットを取ってしまった。
しかし、三回行って正解だったかも。
東京国際フォーラムの2日間はほぼ同じセットリストだったけれど、追加公演の渋谷公会堂はかなり曲が入れ替えられていた。
どれもなかなか捨てがたく…、結局いろいろ聴けたので3日間行って良かった。
席も2階→1階真ん中→1階前の方とかなり違う視点で観ることができて面白かった。


2階席のテンションの低さにはちょっと…だったが。
せめてアンコールでノリのいい曲を演った時くらいオール・スタンディングしようよ、と思った。


それに引き換え1階席はテンションが高い。
オープニングが Maneater なのでまずそこでスタンディングしてしまう。
それからノリの良い曲がどんどん続くから座っている暇が無い。
中盤辺り(?)でバラードが織り交ぜられるが、みんな座らない。
とりあえず視界が遮られれば立っているって感じで、ちょっと背の高い男性が前にいたらもうしょうがない。


前回、来日した時も思ったのだが、これだけダンサブルなナンバーをヒット曲として持っているのはライブの際の強みだと思う。
加えて、今回はカバー曲中心の最新アルバムからのナンバーが満載。
誰でも知っているような曲のオンパレード。
ヒットした曲、カバーされる曲、というのはやはり良い曲なのだ。
良い曲を良いヴォーカルでたくさん聴かせてもらえれば(前にも書いたがダリル・ホールの歌声が大好きだ)自然と客席のノリもよくなる。


綺麗だし、客席もそれなりにゆったりしているが、国際フォーラムというのはコンサート会場としてはいまいち。
やっぱり、渋谷公会堂くらいのキャパで楽しみたい。
…が、久しぶりの渋谷公会堂、こんなに席狭かったっけ?というのをまず思った。
ダンサブルなナンバー連発されたら、こんなに狭くてどうするのよ、って感じ。
幸い(本当は不幸なのかもしれないが)私の席は一番壁際だったので、デッドなスペースが少しあり助かった。
このスペースのおかげで、前に立っている人の隙間をぬってステージが見えた。
この辺は改修の余地アリ。
ま、それはともかく、最後の渋谷公会堂公演は楽しかった。
ずーッとスタンディングだったのでさすがに少々疲れたが、たまにはこういうのもいいだろう。
ピックのばらまきぶりも凄かった。
雨のようにピックが降ってきていた。…といってもセンター前方席だけなんだけどね。

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イーグルスに「New Kid in Town」と歌われたホール&オーツのニュー・アルバム。
ニュー・アルバムと言っても新曲は3曲だけ。
他はカバー曲だ。


ここにきてカバー曲集を出す心境って、ジョン・レノンが「ロックンロール」というカバー・アルバムを出したのと同じようなものだろうか…。
それはさておき、リラックスしたR&Bという雰囲気が心地よく響くアルバムに仕上がっている。
ソウルフルというよりはAOR(adult-oriented rock)。
肩肘張ってテンションあげて、ではなく、グラスを傾けながらしっとりと、という雰囲気。


日本盤にのみボーナストラックとして1曲余分に収録されている。
日立のテレビのCM曲「Without You」だ。
シングルにもなっている。
これはどちらかというと熱唱系とでもいうのだろうか。
アルバムに一緒に収録するにはちょっと異質といえばそうかもしれない。
原曲負けしているようにも思うし…。


シングルで判断しないで、ぜひアルバムで楽しんで欲しい、かも。


こればっかりは好みなので、異論を唱えられてもしょうがないが、ダリル・ホールの声には何とも言えない味わいがあると思う。
よーするに好きだっていうことなのだが…。

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