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1986年の米映画。日本での公開は1987年3月。 ロバート・レッドフォードが出演していたので、映画館まで足を運んで観た作品ではあるのだが、内容がどうしても他の映画とゴッチャになってしまう上にどんなストーリーだったか良く覚えていない。 その後、テレビで放映された時も観ているが、すぐに忘れてしまう。 ようするに、感動したり感銘を受けたりするような内容ではなく、ライトに楽しむタイプの映画で、ミステリーとサスペンスで味付けしたラブ・コメディというかロマンチック・コメディだ。 ミステリーとサスペンスとラブ・ストーリーその他もろもろを詰め込んでいるので、必然的に内容は薄いし、キャラクターも非現実的。 そこはキャスティングの良さで救われているという感じ。

レッドフォード演じるローガンは、将来を期待された検事補。 ただし生活能力まるで0。そこで笑いを取る。 確かにレッドフォードが家事が得意なミドル・エイジっていうのもイメージに合わないので、これはいいだろう。 ピカソもわからないくらい美術音痴というのも笑える。 しかし、仕事は有能、そちらはビシッと決める。

デブラ・ウィンガー演じるローラ・ケリーは弁護士。 検事補に弁護士とくれば、もうここで構図が見えてしまう。 ここはあまりにミエミエの展開だが、まぁいいだろう。 やっぱり法廷のシーンは面白い。 アメリカの法廷のシーンが面白いのは、いかに陪審員に訴えるかの話術の部分が大きいからだと思う。

しかし、この二人が後半、刑事か私立探偵のような活躍を見せるのはどうなんだろう。 あまりに自然にこなしているが、弁護士はともかく検事補が日常茶飯事にそんなことをこなしているとは思えないのだが…。 そして、ラスト、火事の中に突っ込んで行って無事みんな(良い人だけ)生還してしまう、というのはなんとも安直。 レッドフォードはスーパーマンか?(笑) まぁ、レッドフォードだから許せてしまう部分が無きにしも非ず。

この二人にミステリアスな美女チェルシーがからんでくる。 悲劇のヒロインのはずなのだが、行動、言動に怪しさいっぱい。 これもダリル・ハンナが演じるからサマになっているし、納得もできる。

これだけはまったキャスティングであるにもかかわらず、イメージの貼り合わせなので、どのキャラクターも映画を通して印象に残るようなことはない。 見ているときは、それなりに面白いし楽しめるが、見終わっても何も残らないどころか綺麗に忘れられる。 忘れられるから、逆にいいのかもしれない。

ちなみに原題の「legal eagle」は「すご腕の弁護士」とか「やり手の弁護士」という意味。 たしかにそのままの意味で邦題をつけてもしょうがないが、どこが「夜霧」なんでしょ?

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