シネフィル・イマジカで今月放映中。
似たような題材を扱った映画に「未知への飛行」があるが、そちらがごく真面目に描いているのに対し、
キューブリック監督のこの作品はブラック。
あまりにもブラック。
きっと私は、100%は理解していないと思う。
ブラックで包み込んだのが幸いしてか、今観てもあまり古くささは感じない。
原題の Dr. Strangelove or How I Learned To Stop Worrying And Love The Bobm を直訳したようなわけのわからない邦題も、ここでは面白い。
なんといっても、ピーター・セラーズの一人三役が凄い。
イギリス人のマンドレーク大差、ドイツ人のストレンジラヴ博士、アメリカ人のマフリー大統領を演じ分ける。
見事な化けっぷりだ。ラストで水爆と一緒に落ちていってしまうコング少佐も演る予定だったとか。
これもセラーズだったら、映画としての完成度はさらに上がっただろう。
LDの解説によると、最後の最高作戦室でパイ投げのシーンがあったがカットされたという。
パイ投げ…観たかったような気もするが、映画としてはカットして正解か。
さらにマニアックなことになるが、この映画は意図的にスタンダードサイズとワイドスクリーンサイズの両方のサイズを使って撮影しているらしい。
ショットによって使い分けているという。
キューブリックらしいと言えばそうなのかもしれない。
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